コンポストと虫 

コンポストと虫 

コンポストをこれから始めようと考えている方から一番多いのが、「虫が出ますか?」という質問です。

私もいろいろなコンポストを試してきましたが、自分の経験から言って、虫がまったくこないコンポストはない、と思っております。(室内で密閉してやるタイプや機械式を除いての話です。)

自然界では、昆虫も大事な分解者たちです。虫が旺盛な食欲で動植物を食べてくれることで、分解が進んでいます。 

そこで、虫のことを心配していらっしゃる方には、どんな虫が来るのかご紹介してから、どのように対策すれば良いかをお伝えしています。

あらかじめ虫について知っていると、虫はむしろ味方のように思えて来ますよ。

 

🔳 虫が来る原因は、”生ごみの入れすぎ”がほとんど。

 

虫は、食べ物があるところに寄ってきます。

生ごみがコンポストの中で分解されない状態で残っていると、虫が見つけて分解しにやってきます。


🔳コンポストに来ることが多い虫


⚫︎コバエ

発酵食品やアルコール、傷みかけた果物など、分解中の食べ物にたかることが多い虫で、生ごみにもやってきます。

⚫︎アメリカミズアブ 

体長1~1.5cmの黒い虫です。人間や動物を刺すことはありません。

幼虫は生ごみが大好きで強力な消化能力を持っているため、この虫が来るとコンポストの分解を大いに助けてくれます。また、この幼虫は高い栄養価を持っており、魚養殖の餌にも使われます。排泄物は有機肥料になる上、生ごみの臭いをおさえる物質もはいっています。

この性質を利用して、生ごみでアメリカミズアブの幼虫を育てて飼料や肥料として活用することで循環を進めようという研究も進んでいます。

というわけで、まさにスーパー益虫とも言えるアメリカミズアブなのですが、幼虫は大きな蛆虫という見た目ですので、最初に見るとギョッとする人も多いです。(私もそうでした。今ではまったく動じません 笑)

コンポストの中で見かけたら、「人を刺さないから大丈夫だし、生ごみたくさん食べてくれる。」と思っていただけたらなあ・・・と思います。

🔳虫が出た時の対策は?

コンポストによって違いますので、一概には言えないのですが、まずは、投入を休んで分解を進めるのが基本です。

微生物がどんどん分解して虫の好きな食べ物がなくなれば虫は自然にいなくなっていきます。

以下、キエーロコンポストでの虫対策です。

  1. 生ごみ投入をいったん休む
  2. 土を下のほうまで掘り起こして、分解残りや分解途中の塊があったら、シャベルでよくほぐして土と混ぜる。乾燥していたら、しっとりするくらいまで水をいれる。   (微生物の活動には水と酸素が必要です。酸素不足だと腐敗がおきてドブ臭いにおいを発し、虫を引き寄せます。)
  3. 上から丁寧に土をかぶせ、生ごみが露出しないようする。

こうして1週間ほどすると元の状態に戻ってきます。

よく、「熱湯をかけたらどうですか?」と聞かれますが、キエーロは土の量が多く、よほど大量の熱湯をかけない限り、虫が死ぬほど温度をあげるのは難しいと思います。

バッグ型など小型のコンポストでは、基材を取り出して黒いビニール袋にいれ、太陽にあてることで温度をあげるという方法もあります。

もし、とにかくすぐに解決したいと思ったら、土を取り替えるのが一番早いです。

虫がいるところだけでも土を掘って取り除き、新しい土をいれます。

ただし、この方法は、土のある庭や畑がないと、土の行き場所がなくて難しいですよね。

ダンボールコンポストやバッグ型などの基材を使うやり方でしたら、基材を燃えるゴミとして捨てられます。

 

🔳コンポストに失敗はない!

虫が出ると「失敗した!」と思って、コンポストをやめてしまう方がいるのですが、虫も臭いも腐敗もすべて分解の途中のプロセスにすぎません。

焦らずに分解をゆっくり進めていけば、最後は土や堆肥になっていきます。

コンポストに失敗はありません。

自然界の循環を目の当たりにするいい機会でもあるので、どうか、コンポストの中の営みを見守ってあげてください。

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■この記事を書いたのは・・・

コンポスト専門店コンポストフレンズ

使いやすくておしゃれなコンポストを集めた、コンポストのセレクトショップです。

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